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小さなヨットうみたか丸が周航します。これはその記録です。


by umitakamaru3
快調なセーリングで御前崎を回る

4時45分 御前崎マリーナを出発。曇りで霧があり、視界はあまりよくありませんが、5~6メートルの北東の風です。港を出てすぐにセールをあげ、エンジンを切りクローズで走ります。久しぶりの帆走で4~5ノットでてものすごく快適です。「ヨットはこうでなくでは」と昨日までエンジンを神様の如くあがめていたのに現金なものです。御前崎に近寄ると岩礁や浅瀬であぶないというので、御前崎を3マイル離してコースを設定しましたが、2時間余りかけて律儀にそのコース通り御前崎を回って遠州灘に出て真西方向、福田港沖をめざします。
途中、ものすごい漁船の群、数十隻~百隻が御前崎沖に集まり、南下して行きました。一時は地鳴りを聞くようなすごいエンジンの音でした。黒潮にカツオでも釣りに行くのでしょうか。1時間足らずですべていなくなりましたから漁場はもっと南の方なのでしょう。御前崎を回るあたりですごい数の鳥があつまり海面で乱舞しています。いわゆるトリつき、トリヤマといわれるものでしょう。まぐろかカツオに追われたイワシなどの小魚が逃げ場を失って海面に集まり、それをカツオ鳥などが捕食しているのでしょう。あまりのすごさに写真を撮るのも忘れて見ていました。
御前崎を回って、風が追手になるとコースとセールを合わせるのが大変難しくなり、ジブセールが遊んでしまい、メンセールも時々ジャイブをしたりします。風も弱まり船のスピードは3ノット位しか出ません。仕方がないのでまたエンジンのお出ましを願い機帆走で走りました。
途中、霧の中に巨大な浜岡原発がかすんで見えました。
福田港は大変入りにく港です。何より沖から入り口を見つけるのが大変です。GPSに打ち込んだ入り口の白い灯台を必死になって探し、そこをめざします。入り口は黒いテトラポットの防波堤で囲まれて、狭く、その灯台が見つからないと絶対に入れません。入り口の波立ちも相当なものでした。GPS、港湾案内の図面、灯台と現場の確認を必死になって繰り返しながらの入港です。幸い先に入港する漁船がいたのでそれに着いていく形で無事入港することが出来ました。
沖から見ると白い灯台の西側のテトラポットの防波堤のさらに西側に巨大な橋脚、橋梁のようなものが突き出ています。後で分かったことですが、これはサンドシステムという養浜対策の施設です。ここで西側の海砂を吸い上げ、パイプで東の方の浜に常時送る大事業のようです。沖から見た場合これが一番目に入ります。
港はかなり広く、魚の形をした立派な魚市場のある内港と広い外港があります。内港の岸壁に着けていると、すぐに漁協の職員という青年がやってきて、ヨットは本当は広い外港の方に泊ってもらうのだが、一晩だけならここでいいですから入港届を書いてといいます。ここは入港するとすぐ漁協と警察がやってきて免許証や船検証の提示を求められるとヨットマンのなかで評判の港です。漁協の青年は、あれは福田港だけだといわれ、もうやめました、ただ、この届だけは書いて下さい、漁協に置いておくだけです、というので書きました。漁協の青年は、言い訳がましいことをいった後魚市場にしらす上がることとか、沖でいろんな魚種がとれることなどを話してくれました。
漁港の東側に広い駐車場があり、その向こうに市営のグランドがあり、トイレや水洗い場もあります。その東の方は、長い砂浜と遠州灘が広がり、ちょうど外房の九十九里浜の景観と似ています。すごく雄大です。

        霧にかすむ浜岡原発

御前崎~福田港へ (2014年6月24日)_d0129701_9491793.jpg

# by umitakamaru3 | 2014-06-27 09:54
濃霧の駿河湾口を横断
トラブル発生。ペラに藻が

朝5時。妻良出港。隣のW号のMさんが見送ってくれる。Mさんも今日下田に帰るとのこと。曇りで深い霧の朝。海は静かで風はほとんどない。機走しながらメンセールを上げて
微風を拾いながら走ります。うみたか丸のエンジンは最大速力を出すと黒煙を出して燃焼不良を起こすのでなるべく5ノット位しか出さないようにしています。
駿河湾を横断して伊豆から御前崎へ渡る今日のコースは、天気が良ければ伊豆の山々と富士山の景観が見事なところです。しかし、濃い霧のため伊豆の山々は次第に見えなくなり、360度濃霧に囲まれた海を真西・270度に進路をとってひたすら走ります。ただコンパスとGだけが頼りです。他に自分の位置と進路を示すものはなにもありません。我慢の航海を5時間近く続けるとそれでもぼんやり御前崎の陸地が見えてきました。さらに頑張って御前崎港に入港。御前崎マリーナへ入ろうとしたそのとき、船のスピードが突然とまり、いくらエンジンを上げてもほとんど前進しません。「なんだこれは」。トラブル発生。瀬戸内海どころか、御前崎まででダウンか。一瞬頭が真っ白になった感じ。とにかくだましだましマリーナに入り込み、桟橋の着けます。もやいをとってくれた人が「プロペラに藻が巻きついたんだ」と言ってくれたので事態に合点がいきました。早速水着になって潜ってみると案の定プロペラにぎっしりと大量の藻が巻きついています。これでは動かないわけです。ちょっと引っ張っただけでは取れません。海光丸のWさんがくれた鎌で、Wさんに教えてもらったように何度も息継ぎをしながら全部切り取りました。初めてのことなので大変でした。これからよくよく注意しなければいけません。
マリーナでビジター桟橋利用料1泊2000円をとられましたが、管理人の方は大変親切でゴミの処理や燃料の補給などよく面倒を見てくれました。

霧にかすむ御前崎

妻良から御前崎へ(2014年6月24日)_d0129701_1730142.jpg


御前崎マリーナのうみたか丸

妻良から御前崎へ(2014年6月24日)_d0129701_17303391.jpg



# by umitakamaru3 | 2014-06-24 17:36
逆風、逆流の石廊崎をこえて

西伊豆には妻良、雲見、安良里などロマンチックな名前の港がならんでいます。一度は入ってみたかったところです。
朝5時前に下田を出港して、伊豆・妻良港へ向かいます。海は多少うねりが残っていますがまず穏やかです。下田から石廊崎を回るには、岩礁地帯を抜ける近道の内側コースと大回りの外側コースがありますが、安全第一の私は外側コースを選びました。しかし外側は潮流が強く風は真向いの西風でセールをはれません。もっぱらエンジンに頼りましたが、逆風、逆潮で3ノット余しかスピードが出ないのには参りました。しかも本船航路になっており、貨物船に追い抜かれるたびに横波を受けてもみくちゃにされました。内側、外側とも一長一短です。全体に霧が深く視界はあまりよくありませんでしたが、石廊崎沖あたりから太平洋の水平線を眺めるとさすがに雄大な景観です。石廊崎を回って少しセーリングをしましたが、風が弱くすぐセールを下しました。
妻良は緑に囲まれた深い入り江の奥にある美しい港です。妻良沖から95度ぐらいでまっすぐ入ります。右側の定置網に気を付けるように言われました。あまり大きく張り出してはないようです。防波堤の中に入り右側奥が妻良港です。広い新港の方は船が一隻もいないので適当なところに係留しました。漁協事務所に行ったところ完全に閉まっていて誰もいないのでそのまま失礼しました。

霧の石廊崎

下田から妻良へ(14年6月23日)_d0129701_137627.jpg


妻良港のうみたか丸

下田から妻良へ(14年6月23日)_d0129701_1374592.jpg

# by umitakamaru3 | 2014-06-23 13:11

大島・波浮港から下田へ

相模灘沖を突っ切って6時間余

朝4時40分。波浮を出港。曇天だが、うねりも風もずい分収まった。しかし、うねりの底に入ると水平線が見えなくなります。やはり太平洋のうねりは大きい。波浮沖からまっすぐ270度で下田をめざす。南西の風のため上りいっぱい。ジブは下してメンだけにしてエンジンと併せて走る。4~5ノット。ここは黒潮の分流が相模湾に入り込み、潮流と併せて強い流れが生じることがあるという。潮流の関係か前半は遅く、後半は少し早くなった感じ。下田港は入り口に大きな防波堤が出来て、数年前に来たときとは大きく変わっている感じがしました。古い海図や港湾案内には出ていないので注意しないといけない。港に流れ込む河口の奥ヨットが数珠つなぎになっているところにつながしてもらいました。11時30分着。約6時間40分の機帆走。平均4・6ノットぐらいか。ヨットは帆で走ろうよと言われますが、シングルでタック、タックで上っていくのはやはりきついし、早く着きたい。どうしてもエンジンに頼ってしまいます。それにしてもディーゼルエンジンの頼りがいのあること。
大島・波浮港から下田へ_d0129701_17355924.png

アジサイ公園からの下田港奥。うみたか丸はどこでしょう?

# by umitakamaru3 | 2014-06-21 17:38
千葉県保田港から大島波浮港へ_d0129701_14293147.jpg
深い濃霧と巨大なうねりに翻弄されて
快晴だが濃霧が深い。視界は300~5000メートルぐらいか。沖合の定置網をかわし、きれいに上る朝日を背に受けて静か海をコース242度で東京湾口に向かいます。大型本船が何隻も浦賀航路に向かっています。東京湾を出たあたりからは霧で房総半島も三浦半島も海以外一切が見えなくなります。頼りはコンパスとGPSのみ、ひどく不安で心細くなります。そのうち大きなうねりが次々に襲ってきて小さなうみたか丸は翻弄され、保針も大変です。それでもうっすらと大島が見えだしたときはホッとしました。11時過ぎに波浮港沖に到着。沖合からまっすぐ波浮港に進入しようとしましたが、巨大なうねりが後ろから押し寄せ波浮入口の両岸の岸壁にあたり、真っ白い水しぶきを盛大にあげます。うねりの底に入っときには波で港の入り口が全く見えなくなります。一瞬恐怖感がはしりましたが緊張して何とか入港できました。なかはウソのように静かな入り江です。港の一番奥に横付けして、漁協に断りに行くと快く承諾してくれました。

千葉県保田港から大島波浮港へ_d0129701_14301623.jpg

# by umitakamaru3 | 2014-06-20 10:41