小さなヨットうみたか丸が周航します。これはその記録です。


by umitakamaru3
ちょっとしまらない最後の航海
腰痛かばって機走で

 今日は、新居浜まで最後の航海です。
 昨日は今治の友人たちとの食事会で大いに楽しい時を過ごしました。朝起きると港は深い靄に包まれています。腰痛が時々シクシクするので休もうかと思いましたが、明日からは雨で2~3日は閉じ込められそうです。思い切って出航することにしました。
 5時20分出航。海は風のないベタナギですが、前半は来島海峡から押し出された潮の流れが強く、6~7ノットのスピードが出ます。後半には潮が変りましたが、それでも5ノット以上はでます。風も少し出てきたのでセールを上げようかと思いましたが、セール作業で腰痛がひどくなっては大変だと自重しました。全航程をセールなしの機走で行きました。恐らく今回のクルージングで全航程セールを上げなかったのは初めてではないでしょうか。ちょっと間が抜けたしまらない最後の航海でした。8時50分新居浜マリーナ着。約3時間半。あいにく今日はマリーナの休日で、留守番の人しかいません。
 しかし、うみたか丸にとっては大航海の九州一周の旅はとにかく無事に終わりました。ご指導、ご支援、激励していただいた友人、マリーナやヨットマンの皆さん、港々の方々などの多くの人々に心からお礼を申し上げます。

今治港の朝日、深いモヤの中の日の出です
d0129701_125534100.jpg

一面にモヤに霞むひうち灘
d0129701_12572067.jpg

全航程を終えて新居浜マリーナに帰港したうみたか丸
d0129701_12595612.jpg


52日間の航海。寄港地32港
天候に恵まれて

 今回のクルージングは、4月30日に新居浜マリーナを出発し、6月20日に帰港。52日間の旅でした。
 寄港地は、今治ー松山・堀江-三机ー大分佐伯・大入島ー蒲江ー細島ー宮崎ー油津ー鹿児島・内之浦ー大泊ー指宿ー坊津ー野間池ー甑島・中甑ー阿久根ー熊本・三角ー天草・本渡ー長崎・野母ー長崎出島ー五島列島・奈留島ー野崎島ー平戸ー壱岐・郷ノ浦ー対馬・厳原ー博多湾・福島市民ハーバーー筑前大島ー旧門司ー姫島ー三机等々32港(重複港も含む)になります。
 実は、計画ではもっと多くの所を回る予定でしたが、いろんな事情で省略してしまいました。天草周辺、呼子・唐津湾、対馬一周、沖ノ島等々です。残念でなりません。結果的に見ると時間のかかった割には駆け足一周になってしまった感があります。
 この間比較的天候に恵まれました。梅雨を避け、台風が来る前に帰ることができました。
 また航海の最初はいろんなドジやトラブルがありましたが、後半はバッテリーの電圧不足に悩まされたぐらいで、大きなトラブルはありませんでした。最後に腰痛を起こしたのが苦痛、残念でした。


うみたか丸ブログと付き合って下さり、ありがとうございました。

 このブログは、ご支援いただいた友人、知人の皆さんに航海の最低限の状況をお知らせするためにほぼ寄港地ごとに発信したものです。航海は、他にもいろんなドラマや興味深いことがありました。私に文才と時間があればもっと発信できるのですが、今回はこの程度で失礼します。

 
 
[PR]
# by umitakamaru3 | 2017-06-20 13:08

松山・堀江港から今治へ

散々な航海
腰痛、海に潜る、逆潮

 海は穏やかだし、今治までそんなに距離はありません(26海里程度)。来島海峡の難所さへ無事越えればと何度も潮汐を調べて計画を立てました。ところが、とんでもないことが次々に起こり、散々な航海になりました。
 6時30分。堀江港を出て少し行った時ちょっとうつむいただけなのにギクッと腰が痛くなりました。いわゆるぎっくり腰です。痛い腰を慎重にかばいながらいろんな作業をしなければなりません。その内スピードが1ノット前後落ちました。急だったのでてっきりプロペラに藻がからんだに違いないと思いました。仕方がないので船を止め、痛い腰をさすりながら朝の海に潜りました。ところがプロペラはきれいです。スピードが落ちた理由が分かりません。船外機も動かし、向かい風ですがメンセールを上げるなどしても5ノット弱がやっとです。来島海峡では逆にスピードが出過ぎないようにセーブしましたが。腰痛を我慢しながらこれらの作業をして、とにかく12時30分、今治港に無事到着しました。
 なぜスピードが落ちたのか、マリーナのWさんに電話で尋ねると、それは逆潮以外に考えられない。ということです。来島海峡の潮流はよく調べたのですが、その前の安芸灘などの潮流を計算に入れていなかったせいかも知れません。とにかく散々な航海でした。


北条沖の漁船の群れ、何が獲れるのでしょうか。後は鹿島

d0129701_19124527.jpg

北側(松山方面)から来島海峡に入る
d0129701_19143060.jpg

北側(松山方面)からしまなみ大橋(来島大橋)をくぐる
d0129701_1916212.jpg

今治港のいつもの桟橋に泊まるうみたか丸
d0129701_19181878.jpg

船形を模して作ったという新しい今治港務所ビル
d0129701_19192959.jpg


郷里の友人は有難い
歓迎会で盛り上がる


 今治港に着くと、小学校時代の友人が集まって歓迎してくれました。うみたか丸の九州一周の報告から始まり、いろんな話に花が咲き盛り上がりました。
 明日は、高校時代の友人が10数人集まって夕食会を持ってくれるということです。いつものことながら、郷里の友人は暖かく、有難い。

 
[PR]
# by umitakamaru3 | 2017-06-18 19:22

松山にて

ヨットマンは読むべからず

 このブログを読んだ人から時々質問が寄せられます。いい加減なことを言うつもりはありませんが、私の知っている範囲内のことですから、ベテランのヨットマン諸氏は読まないで下さい。船や海の専門家、あるいは関係の仕事をしていた人は絶対に読んではいけません。

ヨットの速さは? 
ノットとは?
カイリとは?

 ヨットに限らず船の速度は普通「ノット」で表します。ノットとは1時間に1カイリ(海里)を進む速さです。1カイリとは地球表面の緯度1分の長さで1852メートルです(おおよその話です)。陸上の1マイルとは違います。だから1ノットは時速1852メートルです。私はものすごく省略して、1ノット=約2キロメートルと概算しています。

うみたか丸の速さは?
5ノットを標準に

 うみたか丸の標準の速度は5ノットにしています。時速約10キロメートルです。1時間に1里(4キロ)歩く人の約2倍半の速さ、フルマラソンを4時間ちょっとで走る速さです。航海計画は5ノットを基準にして作ります。
しかし実際には風や潮の関係、いろんな作業をするなどのため常時5ノットで走る訳ではありません。
 うみたか丸のGPSに表示された速さで、一番早かったのは10ノットです。来島海峡で追い潮に乗った時で冷や汗をかきました。一番遅かったのは天草の早崎瀬戸で逆潮に挑戦した時で1・4ノットです。この時は引き返すしかないと思いました(結果的には乗り切りましたが)。一方6~7ノットで調子よく走る時もあります。しかし1日の航海全体を平均すると大体5ノットになります。


合成速度の不思議?
セール、ディーゼル、船外機

 うみたか丸の推進力としては、まずセール2枚(ジブとメン)、ディーゼルエンジン(主機)、ヤマハ船外機(補機)の3つがあります。それぞれどの位の推進力があるのか? 実際に計ったことはないのですが、条件が良ければそれぞれ6~7ノット位の推進力を持っていると思います。しかし仮に一つ5ノットだとして三つ合わせても15ノットは絶対に出ません。その理論的な理由はよく分かりません。


ヨットは楽しいか?
船酔い、入りにくいヨット


 私がヨットに誘った人で「楽しかった」「また乗せてほしい」と言った人は一人もいません。だから私は人をヨットに誘いません。
 なぜそうなのか。一番の理由は船酔いだと思います。大概の人はヨットで沖に出ると船酔いで不愉快になります。もう一つの理由は、やはりヨットを操船するにはある程度の技術と知識が必要だからです。そうでなければ単なるお客さんになってしまい、ヨットの面白みが分かる訳はないと思います。
セーリング、エンジン、操船、気象・海洋、航海ルールなどです。これは自然に身に付くものでなく、たまたまヨット部に関係したなどこれを習得する機会が必要です。この点は山登りとは違います。山登りも本格的にやろうとすれば同じなのかもしれませんが、もっと気軽に始めることはできます。そういう意味でヨットは最初がちょっと入りにくいのかも知れません。

うみたか丸の場合
クルージングの楽しさ


 順風にしずしず、すいすいと少し強い風には堂々と海の上を走る時の爽快感。海から見る素晴らしい日の出や大海原の光景。初めての港に入る時の緊張感。港に無事上陸できた時の安堵感、達成感。これらはすべてクルージング(巡航)の醍醐味です。
 そしてクルージングを首尾よくやるためには、航海計画の策定、船底掃除やエンジンの整備などの準備をきちんとやらなければなりません。出航までの準備がクルージングの8割を占めると考えます。私はエンジンが苦手なのでマリーナの専門家にお願いします。航海計画は海図上にコースを引き、ポイントを作ってGPSに打ち込みます。結構手間のかかる作業ですが、どこへ、どのコースをとって行こうかといろいろ情報を集めて考えます。これが私にとっては大変楽しい作業で、クルージングの楽しさの半分ぐらいを占めるのではないかと思います。
 もう一つの楽しみは、知らない港に入っていろんな人と交流することです。特別なことをする訳ではなく、ちょっと話をしたり、時には車でドライブや食事に誘われたり、いろいろ親切にされたりすることです。人間とはこんなにいいんだ、ここに来てこの人と会えてよかった、と心底思うことがあります。

離着岸の難しさ
ヘタクソなうみたか丸は苦労します

 船の着け方には2つあります。船尾にアンカーを打って船首を岸に着ける槍着けと岸に横に着ける横着けです。一人で槍着けするのは結構面倒なので、私はもっぱら横着けです。それでも慎重にやらないと船を岸にぶつけます。私はへたくそですが手製の大きなフェンダー(船と岸の間にぶら下げる防舷物)を持っているので何とか直接ぶつけないで着岸しています。
 港にヨットを着けてもいい浮桟橋(ポンツーン)があればいいのですが、それがない時は直接岸壁に着けることになります。干潮の時には2~3メートルもの高さになる所もあります。岸壁の上は全く見えませんが、はしごやロープが下りている所を見つけて、船のロープを持ってとにかくよじ登るのです。とても高齢者のやることではありません。
 離岸の時も、海側から少し強い風が吹いていると船が岸に押し付けられ一人で離岸するのは結構苦労します。

漁船の着岸の見事さ
神業、フェリーの離着岸

 漁船は、岸にぶつかるのではないかと思うようなスピードで突っ込んできて着岸点の直前で船を止め、アンカーロープを船尾に引っ掛けると、少し船を前進させ岸に押し付けるようにして船首のもやいをひょいと岸につないで完了です。一人でやるのですが実に自然でスムースです。ヘタなドライバーの車庫入れよりよっぽど見事です。
 一日何回も行き来するフェリーの操船も実に見事です。すっと港に入ってきて船の向きをくるりと出船に変え、車の乗降口や人が下りるタラップ口をほぼ寸分違わずピタッと止めます。ある離島(悪石島)で、とても船が回転する余地はないと見える狭い港に千トン以上あるフェリーが突っ込んできて港内ギリギリでくるりと回転し、この島特産の牛の積み込みと客の乗り降りをしてサッと出港して行きました。この間30分もかかりません。実に神業でした。

うみたか丸はどんなヨットか
小さい、古い、よく頑張る

 ヨットに乗っているというと、「優雅だね」とか、あたかも金持ちであるかのようなことを言われることがあります。しかしヨットにもピンからキリまであります。大金持ちが持つような超豪華ヨットは別にしても、今は長さ30~35フィート以上は普通で、キャビンも広く設備などもいろんなものが付いています。
 一方うみたか丸は長さ26フィート(約7・30メートル)、エンジンはヤンマーYA型で〇十年前の製作です。おそらく今外洋を走っているヨットでは一番小さく、一番古いと思います。なにしろ古いので船体のペンキが剝げるなどいろいろガタが来ていますが、見栄えはともかく立派に走ります。まだまだ頑張れそうです。大切にしたいと思っています。

港の人々との交流
ニコニコと図々しく
    (その1)


 初めての港へ入った時一体どこへ泊めればいいのか分かりません。事前にネットなどでそこに入ったことのあるヨットマンの情報を出来るだけ集めておき、大体の見当でまず勝手なところへ船を泊めます。そして近くにいる漁業関係者とおぼしき人にニコニコと挨拶してここに止めていいかどうかを聞きます。すると「いいよとか」「そこは駄目だ」とか必ず答えてくれ、ダメな場合は他の場所を指示してくれます。その指示に従って後で他の者に文句を言われたことは一度もありません。
不思議なのは「さあ、どうかなあ」などとあいまいなことを云う人はなく、みんな良い、悪いを断定的にいうことです。まるで港が自分の庭のようです。誰もいないときは漁業組合の事務所に行きます。そこでも同じでみんな親切です。ちょっとエンジンの調子がおかしいなどというと直ぐに業者を呼んでくれます。
 一度だけ、一人の男が桟橋を使わせないと嫌味なことを云ったことがありますが、その男も結局別の桟橋を紹介してくれました。ちょっと不愉快な思いをしたのはその時だけです。

港の人々との交流
ニコニコと図々しく
   (その2)

 うみたか丸にはパソコンがあります。ネットで天候や潮汐を調べたり、ブログやメールを受発信するなど大切な役割を持っています。ところがバッテリーの電源が弱くなって船の中で自由に使い難くなりました。そこで陸上に持ち出し、フェリーの待合所、観光案内所、公園の休憩所など電源のある所を探しては使わせてもらいます。一度も断られたことはありません。待合所では使いやすい電源のある所を探してくれます。平戸の案内所では、事務所の机の上の物をすっかり片づけて私専用の場所を作り2日間も使わせてくれました。実に恐縮するばかりです。
 こうした港の人々の好意につつまれながら九州を回ることが出来た感じです。

[PR]
# by umitakamaru3 | 2017-06-15 15:57
徒然草「高名の木登り」の警告に従って休む
 
 13日の天候は多少荒れそうですがですが頑張れば大丈夫のようです。しかし以前に友人のS君が警告してくれた徒然草109段の「高名の木登りの話」(木の低い所に来た時ほど注意しろという話)を思い出します。九州一周を終わってあと一息という時ほど気を付けなければなりません。それに第一身体が疲れていて無理は出来ません。1日三机港で休みました。

釣島水道の追い潮に乗って

 14日は風は弱い向かい風ですが、釣島水道は追い潮で抜けれそうなので出航しました。あさ5時30分。向かい風でジブセールは効かないのですぐ下し、メンセールとエンジン、船外機も使って伊予灘を走ります。その内追い潮になって来たので船外機は止め、釣島水道に走り込みます。エンジン低速でも6ノット前後のスピードがでます。本船航路なので大小の船の行き来に気を使います。水道を抜けてから、堀江港に向かいますが沖からこれが中々分かりにくいのでいつも苦労します。1時着岸。40カイリ余を7時間半。まずは順調な航海でしたが、やはり疲れました。2~3日松山の親戚の家で休みます。畳の上で寝るのは5週間ぶりです。
三机出航、佐田半島日の出
d0129701_18274513.jpg

現代の怪物・伊方原発
d0129701_1829410.jpg

佐田岬の向うに四国連山が見えてきました
d0129701_18302394.jpg

静かな朝の伊予灘
d0129701_18315651.jpg

潮流のある釣島水道を行く。ずっと向うに見えるのは高縄半島か?
d0129701_18325124.jpg

堀江港に泊まるうみたか丸

d0129701_18342869.jpg

他の船は大きく、うみたか丸は小さい、でもそれでいいのです。(堀江港にて)
d0129701_18353731.jpg

[PR]
# by umitakamaru3 | 2017-06-14 18:00

三机港にて

「Hちゃん」のこと
「わたしゃ原発反対だよ」

 三机にはヨット応援隊を自称する「Hちゃん」というおばさんがいます。多くのヨットマンがこの人の世話になっており、かなり有名です。私が最初に三机港に来た時、町役場まで連れて行ってくれ岸壁への係船許可手続きを取ってくれました。その時、Hさんが役場の中でいきなり大きな声で「わたしゃ原発には反対だよ」と言ったので、仕事をしていた職員がみんなうつむいて黙っていたのがとても印象的でした。
 2回目に行った時には、自宅に連れて行ってくれてご主人に紹介されたり、携帯電話などに充電してくれたりし、筍のお弁当を差し入れてくれました。
 今回で3回目ですが、「これから芋を植えるのを手伝わないか」と言われました。私は姫島から来る後半海が荒れて疲れていたのと、片付けなど仕事がたくさんあったので、「ちょっと無理だ」というと「そうだね」と言って帰りました。ちょっとさびしそうな印象が気になりました。翌日は弁当の差し入れはありませんでした。私は、疲れていても芋を植えてあげればよかったと後悔しました。



真珠湾攻撃
特殊潜航艇の訓練基地

 三机港のある三机湾は、ハワイ真珠湾に地形が似ているということで、真珠湾攻撃に参加した特殊潜航艇の訓練基地とされました。ここで訓練され攻撃に参加した9名の軍人が真珠湾で戦死しました。ここにもあの戦争のつめ跡が残っているのです。私はよく知らなかったのですが、港で釣りをしていた人が話してくれました。
[PR]
# by umitakamaru3 | 2017-06-14 16:00